ローコスト注文住宅とは何か?どこがどう違うのか?

どうせ家を建てるなら注文住宅、と思っていてもなかなか予算が・・・。そこで安く建てられるローコスト注文住宅を検討している方は多くいらっしゃると思います。

実際にローコスト注文住宅はどれくらい安いのか?どこが違うのか?品質が悪くて後悔することはあるのか?そのような疑問にプロがお答えします。

この記事は約10分で読めます。

  1. ローコスト注文住宅の価格
  2. 広告だけ安い業者に要注意
  3. ローコスト注文住宅は安かろう悪かろうではないが
  4. コストパフォーマンス高く注文住宅を建てる提案

 

1.ローコスト注文住宅の価格

こだわりのマイホームが格安料金で建てられると評判のローコスト注文住宅ですが、『普通の注文住宅とどう違うのか?』と興味を持っている人が多くいらっしゃることでしょう。

ローコスト注文住宅は、ちょっと高級感のある注文住宅をできる限りの低予算で手に入れたいという人から注目されています。

 

ローコスト注文住宅と注文住宅との違いとは

結論から言いますと、『ローコスト注文住宅はセミオーダータイプの建売住宅』と考えれば分かりやすいかもしれません。

一般的な注文住宅は、フルオーダーでゼロから設計プランを立ち上げます。土地も建物のデザインも、建材や備え付けインテリアのレベルも、予算に応じて自由に選べるこだわりのマイホームです。

一方、ローコスト注文住宅では間取り・内装・設備など規格化されたプランの中から、部分的なカスタマイズが可能です。建売住宅と違って自分が選んだ土地に家を建てることができますが、低予算で抑える必要上、かなり設計の自由度が低くなってしまいます。

居住性の良さやオシャレで機能的なデザイン、愛着のわくステキな外観を重視する方には物足りなさを感じてしまうことも事実です。

 

ローコスト注文住宅と注文住宅の価格相場を比較すると

まず、ローコスト住宅の建設コストの相場を確認しておきましょう。最近の建物価格の相場は1棟あたり1,000万円前後とされています。注文住宅の建築費用の平均はおよそ3,000万円ほどです。

ただし注文住宅の建築費用は、建坪や間取りデザインの違いで大きくコストが変わってきますので、比較しやすいように坪単価で比較する方が分かりやすいかもしれません。

 

〇注文住宅メーカー別の坪単価平均

 

坪単価

20坪の平均

30坪の平均

40坪の平均

50坪の平均

ローコスト注文住宅

30~50万円

800万円

1200万円

1600万円

2000万円

大手ハウスメーカー

70~100万円

1700万円

2550万円

3400万円

4250万円

地元工務店・大工

50~60万円

1100万円

1650万円

2200万円

2750万円

上記の表にあるように、注文住宅を建てる場合の坪単価(一坪の建築費)は大手ハウスメーカーと地元工務店・大工と、いわゆるローコスト注文住宅メーカーとで格差があります。

大手ハウスメーカーの注文住宅が坪単価70万円以上であるのに対し、ローコスト注文住宅ではその半分程度の30~50万円に収まっている点に注目できます。

*ただしローコスト注文住宅の中でも、メーカーによって価格の格差がある

 

ローコスト注文住宅はどのコストを削っているのか

ローコスト注文住宅は、文字通り低予算でマイホームの購入が可能です。では、なぜ建築コストを低予算に抑えることができるのでしょうか?

それは建材単価を下げる工夫、広告宣伝費や人件費、研究開発費などを抑える工夫がなされているからです。つまり、1棟あたりの粗利を高める工夫が徹底されていることがあります。

具体的には、次の3つの工夫が施されています。

 

① 建材・設備・建具がローコスト

ローコスト注文住宅では、建材を規格化して大量に一括生産・一括仕入れしてコストダウンしています。これは大手ハウスメーカーやフランチャイズの工務店の建売住宅と同様で、主要建材の仕様やグレードを統一することで、安定した在庫確保と発注ロス(デッドストッ)の回避を実践します。

なお、オーダーメイドの設計部分や設備・建具でも、選択肢を絞り込んだオプション設定でコストダウンを図っています。建材や建具はなるべく現場で加工せず、プレカット工場でのパーツの一括発注と、組み立て工場での組み立て作業で費用カットを徹底します。

ということで、ローコスト注文住宅は注文住宅でありながら、かなり建売住宅よりの建築手法だと言えるでしょう。もちろん低品質・低機能な建材ばかりを使用している訳ではありません。ですが建売住宅と同様に、こだわりマイホームというレベルまでは望めません。

② 人件費や広告費がローコスト

建材のコストダウンをするということは、同時に現場作業の延べ人数を減らす効果も生じます。なお、既に組み立てられた部材をはめ込むだけの作業が増えますので、熟練の職人の手間も抑えられるのです。

また、注文住宅の場合は建売住宅のような大規模な宣伝・広告を行わないのが一般的です。ニーズが小さいことから、よりターゲットを絞り込んでの広告戦略を行います。例えば、テレビCMも価格の安いローカル局を使うとか、販売を大手不動産会社に下請けに出すなどして宣伝・広告費を徹底的に削減しています。

③ デザイン・間取りなど設計が非常にシンプル

ローコスト注文住宅では、外観デザインを四角い家にする傾向があります。しかも平屋よりも2階建て・3階建ての建築が目立ちます。

これが建築コストを削減する効果的な手段で、同じ床面積なら壁面積の少ない真四角な家の方が建材の量も種類も少ないですし、建築工事の手間暇も大幅にカットできます。

同様に平屋よりも2階建て・3階建てにするとさらに建材・建築工事のカットができます。同じ床面積でも、2階建てにした方が屋根の面積と柱・梁の数量を減らすことができます。

ローコスト注文住宅は建売住宅で構築したコストカットのノウハウをフル活用しながら、できる限りの費用削減に努めています。その点は購入者にメリットがあり、低予算でちょっとしたこだわりハウスを求める方にとってはありがたいことでしょう。

ただし、あくまでもローコスト注文住宅は建売住宅の建築法をベースにしている点を知っておくと良いかもしれません。言い換えれば、オプションの種類が多い建売住宅とみることができます。

 

ローコスト注文住宅のメリット・デメリット

ここでローコスト注文住宅の具体的なメリットと、注意すべきデメリットを確認しておきましょう。

 

▼ローコスト注文住宅の3つのメリット

一般の注文住宅の3割から4割ほど低コストで建てられることで、費用面でのメリットは大きいです。

 

メリット1:住宅ローンの負担が軽減される

これまで述べたとおり、ローコスト注文住宅は建築費用をかなり安く抑えることができるので、住宅ローンが組みやすくなります。高額な注文住宅ですと、年収によっては融資が得られないケースもありますが、そういった心配が軽減されるでしょう。

なお、住宅ローンの返済負担も減ります。毎月の返済額を抑えて安心の返済プランが実践できるでしょう。

 

メリット2:工事完成が早く、すぐに新生活が始められる

注文住宅の場合は、工事着工から完成までに半年前後かかるのが普通です。ですが、ローコスト注文住宅の工期は3か月ほどと短期間です。

これによって新居完成までの仮住まい期間が短くなって、工事費用に加えて家賃費用も節約できます。それに、早くマイホームに住みたいという気持ちに応えるのもメリットです。待ちくたびれて生活リズムが崩れる心配がありません。

 

メリット3: 入居後の生活に応じて低コストでのリフォームがしやすい

ローコスト注文住宅は一般的な注文住宅よりもグレードが下がり、住宅性能や保証制度が劣っています。ですから途中のリフォームで適宜修復しながら住んでいくことになるでしょう。

そこで、家族生活のスタイルが変わるタイミングでのリフォームをする意味が出てきます。後のリフォームでこだわりポイントをしぼって、家族のライフスタイルに合ったデザイン変更やグレードアップする楽しみがあります。

また、低予算で購入することで、その後の家計に余裕が出ることもメリットです。

 

▼ローコスト注文住宅の3つのデメリットと注意点

ローコスト注文住宅は標準仕様が決められていて、建売住宅ベースのオプション仕様と見ることができます。注文住宅とは言っても、全体的に高級感やこだわり感があまり表現されません。

なお、標準仕様よりもこだわり設計にする場合はかなり割高になってしまう点にも注意してください。

 

デメリット1:デザイン性がイマイチなことが多い

ローコスト注文住宅でありがちなのが玄関ドアが建売住宅レベルであること。また外装・内装ともに壁がのっぺりとフラット過ぎ、四角形を基調とした造りになる傾向があります。また、軒(庇)が窓の上にも付いていないなど、機能的にもオシャレの面でもデザイン性がありません。

室内設備でも、キッチンに工夫がないとかバスルームがシンプル過ぎるなど、建売住宅とそん色がないケースが目立ちます。

 

デメリット2:間取りの自由度が低い

間取りを自由にできるのが注文住宅の大きなメリットですが、ローコスト注文住宅では間取りまで標準設定している場合が多いです。

それは外壁が四角形を基本とすることと同様で、同じような間取りに統一してしまえば、どの家を建てるにしても建材を共有することができますし、建築の方法も同じに揃えられます。

3カ月間で工事完成できるというメリットが、逆に設計の自由度を限定させるデメリットを生じさせます。

 

デメリット3:省エネ性能

ローコスト注文住宅の購入者からは、『暖房費・冷房費がかさむ』という声がよく聞かれます。それは断熱剤の使用量が少ないことや、建築工法によっては密閉性が不十分なことが理由にあります。

断熱材は一般の注文住宅と同じものを使用したとしても、これでは外気を適切にシャットアウトできる住み心地の良い家にはなりません。

もちろん、メーカーや坪単価設定によって断熱効果に違いがありますので、事前に断熱性能の示す「UA値」や気密性能を示す「C値」を確認するようにおすすめします。

 

2.広告だけ安い業者に要注意

『坪単価30万円!』などと大きな目立つ文字で広告を出しているローコスト注文住宅には注意してください。

これまで述べた通り、ローコスト注文住宅はオプションの種類がとても多く、オプション料金は表示された坪単価に含まれていないことが多いからです。

広告の家の写真をパッと見て、『これで坪単価30万円なの?』と喜び勇んで飛びつくと後悔してしまうかもしれません。

驚かれるかもしれませんが、実は住宅の広告では価格表示に一定のルールがないのです。

もちろん、嘘の価格を掲示することはできません。ローコスト注文住宅は、その注文の仕方に特長があるため、詳細な価格設定を1枚のチラシに表記するのは困難ですし、くどい説明は消費者から敬遠されてしまいます。

それを逆手にとって、主なオプション料金を含めない価格を大きく表示して、格安を強調する業者も少なくありません。

このセールスアピールをそのまま信じて注文してしまいますと、実際の設計の相談時にとんでもない事態に陥ります。提示された価格だけで設計をしてしまうと、建売住宅と同じになるケースさえあります。

それで注文住宅らしくするために、しぶしぶオプションを追加するのですが、気が付くとずいぶんと高い金額になってしまうといった失敗例も珍しくありません。

そうならないためには、初めに表示価格で実際に建てられる家の全体像を質問してください。また、こだわりのオプションを追加した場合の価格も合わせて聞いておきます。その際に、実際に建てた家のサンプルと価格をチェックするべきでしょう。

一生に一度の高い買い物なのですから、たとえ担当者に嫌な顔をされたとしても、納得のいくまで説明してもらうようにしましょう。

 

3.ローコスト注文住宅は安かろう悪かろうではないが

ローコスト注文住宅に対するイメージは人それぞれだと思いますが、基本的には建売住宅にこだわりオプションを付けた住宅だと考えれば良いでしょう。

ちなみに建売住宅の坪単価平均が40~60万円程とされています。ローコスト注文住宅は30~50万円が相場ですから、建売住宅よりも安い価格設定となります。

これはいったいどういうことなのでしょうか?

つまり、購入者がこだわりたい部分だけをオプション選択してグレードアップしやすいように、標準の仕様を低レベルに抑えてあるということです。

そこから各自の希望でこだわり設計を入れますから、人によっては坪単価50万円以下で希望するマイホームが作れるかもしれません。ですが、坪単価50万円以上のオプションを追加しても満足できないということもでてきます。

なぜなら、オプションを付けて坪単価50万円としても、それは建売住宅の坪単価レベルを超えないからです。一点豪華主義という方法もありますが、住宅全体を見た時に、随所に安い造りが目について、わざわざ注文住宅を選んだ意味が感じられないかもしれません。

繰り返しますが、一生に一度の夢のマイホームを建てるわけですから、家族全員が満足できる家を建ててもらいたいものです。ローコスト注文住宅を選ぶ場合は、細部にまで事前チェックを入れて、最終的に出来上がる家と、それにかける費用とを比較してみるようにおすすめします。

 

4.コストパフォーマンス高く注文住宅を建てる提案

ここまでローコスト注文住宅について確認してきましたが、低予算でプチこだわりのマイホームを造るという意味で、ローコスト注文住宅のコンセプトは決して悪いものではありません。

成功のポイントは、信頼できる建築会社を選び、限られた予算内でしっかりと家族の希望を形にしてもらうように相談することです。もちろん、できることとできないことがありますので、そこはプロの提案をよく聞いて、最善の方法を見つけていく丁寧さも必要でしょう。

本来家造りとは、なによりも楽しい仕事です。自分の家を自分の思いを込めて作ること、それはステキで夢のある一大事業と言えるでしょう。

そこでローコスト注文住宅を成功させるために、ひとつ提案があります。限られた予算を最大限に生かしたコストパフォーマンスの高い家造りを実践する建築会社・シンプルノートにご相談するようおすすめします

『最小限のつくりで最大限の豊かさを実現する』とのスローガンを掲げ、広告費や事務費にコストをかけず、ご依頼者のご予算を目いっぱい建築費用に充てる営業スタイルで高いコストパフォーマンスを実現しています。

当社が提供するデザイナーズ住宅・SIMPLE NOTEは、従来の注文住宅の良さを損なわず、ローコスト注文住宅の合理的なシステムを活かした建築方法を確立しています。

建材と工法は地場工務店(フランチャイズ式)のノウハウを十分に活用し、余計な物は徹底排除します。ですが、研ぎ澄まされたデザイン力で機能美と芸術性のある設計を実現し、大工職人による丁寧な家造りを行うモノ造り日本の精神を第一にする信頼のおける建築会社です。

ローコストで注文住宅を建てたい方は、ぜひ自由設計のシンプルノートにご相談ください。