家族と財産を守る!防犯に優れた家造りとは?

家造りにおいて防犯対策は重要な要素になります。不審者が侵入した場合、どのようなことが想像できるでしょうか。不審者が自宅に侵入した場合、空き巣だけではなく、家族がいれば襲われる可能性もあります。このことからわかるとおり、財産だけではなく命を守るという意味でも防犯に優れた家造りをする必要があるのです。今回は、家族と財産を守る防犯に優れた家造りについてご紹介します。

  1. 防犯に優れた家造りは土地選定から始まる
  2. そもそも侵入したいと思われないことが最上の防犯対策
  3. 侵入されないための原則
  4. 防犯設備を充実させる
  5. まとめ

 

防犯に優れた家造りは土地選定から始まる

防犯に優れた家造りについて考える際には初めに土地の選定をした方が良いでしょう。土地に入ろうとする侵入者は下見をした上で侵入をするケースが多いです。
その際、土地に入ろうとする侵入者が確認することが2つあります。

1つ目は、「逃げやすいかどうか」です。例えば、家と駅が近く逃げやすいかどうか、立ち話をしている人がいないかどうか、通行人が少ないかどうかなどを確認して侵入することでしょう。

2つ目は、「侵入しやすいかどうか」です。例えば、庭木や隣の家などをみて死角になる箇所を探すことや足場になる場所があるかどうか、近くに犬などの吠える動物がいないかどうか、窓のクレセント錠の位置が開けやすいところにあるかどうかなどを確認して侵入することでしょう。

このようなことから、防犯に優れた家造りは土地選定から始まると言えるでしょう。

そもそも侵入したいと思われないことが最上の防犯対策

防犯対策として、そもそも侵入者が入りづらいようにすることが最上級の防犯対策になるでしょう。ここでは、そのような防犯対策をご紹介します。

例えば、塀・柵・垣は、見通しがよく、簡単に乗り越えられず、すり抜けられず、上方への足場にならないような構造・材質・形態・高さにするのが良いでしょう。
生垣には、とげのある低木が効果的です。周囲からの見通しを妨げ、侵入者が身を隠せないように、庭木の手入れはこまめに行いましょう。さらに、庭木やエアコンの室外機などは、2階への足場にならないように留意しましょう。庭や敷地内空地には、足音が立つ防犯用の砂利などを敷くと良いでしょう。物置がある場合は要注意です。侵入者が身を隠す場所にならないように、周囲から見通しの良い位置に設置しましょう。2階への足場にならないように配置にも気をつけましょう。確実に施錠して、中のはしごや大工道具が家への侵入用具に利用されないようにしましょう。

また、通常、入り口に当たる門には門扉やインターホン等をつけるなどして敷地内へ簡単に出入りできないようにしておきましょう。
駐車場がある場合は、車上狙いや車の盗難を防ぐため、あるいは侵入者が身を隠す場所にならないように、見通しを良くしておきましょう。また、2階への足場にならないように、構造・形態・位置に留意しましょう。シャッターを取り付ける場合には、防犯性能の高い破られにくいシャッターにするのが良いでしょう。

外壁は、明るめで単色が理想でしょう。明るめで単色にすることで不審者が目立つようになり侵入しにくくなるでしょう。また、見通しの良いように外壁は低めにするのがよいでしょう。
間取りはシンプルで、凸凹がないことで死角ができないので侵入しにくくなるでしょう。

以上のことからも侵入したいと思われないことが最上の防犯対策になると言えます。

侵入されないための原則

侵入されないための原則として「5分以上侵入者の攻撃に耐えることでほとんどの侵入者は諦める」と言うことが挙げられます。

円グラフからわかるように、侵入に手間取り、侵入をあきらめる時間について「2分以内」と答えた被疑者が 17.1%、「2分を超えて5分以内」と答えた被疑者は 51.4%となっています。
つまり、犯罪者の攻撃に対し建物部品が「5分」耐えることができれば、約7割の犯罪者が侵入をあきらめるということなのです。官民合同会議では、この「5分」耐えることを防犯性能の基準としました。

このことからわかるように、住宅の防犯は「扉」と「窓」を守ればよいのです。丈夫な扉と窓をつくることが防犯に繋がります。侵入者がピッキングやドア錠のこじ破りなどの行為を開始してから建物内部に侵入可能な開口になるまでの時間を「抵抗時間」と呼び、商品ごとに定められた試験を行い、抵抗時間が5分間以上であることを確認されたものが「防犯性能の高い建物部品」(CP部品)として公表されています。このように防犯性能の高い建物部品を使用することにより侵入されない家造りができるのです。

防犯性の高い建物部品を使う

昨今の侵入窃盗事件は手口が巧妙化・多様化し、相変わらず国民の生活を脅かしています。国民一人ひとりが様々な被害に対して『防犯意識の高揚』に努めるとともに、国民をはじめ関係団体と共同して被害に対する備えを充実・強化し、安全で安心なまちづくりを推進しています。

官民合同会議では「防犯性能の高い建物部品」を広く普及させるため、以下のような統一マークが採用されています。このマークは、「防犯性能の高い建物部品目録」に掲載された「防犯建物部品」のみに与えられます。
5団体防犯建物部品普及促進協議会は、豊かで、安心できる住まいづくりを担うため、信頼していただける部品を統一マークとして活用し、広く提供しています。
このような基準があると言うことからも防犯性の高い建物部品を使用するのが良いと言えます。

ドアの防犯対策

ドアからの侵入には、様々な手口があります。

「サムターン回し」は、ドリルなどを使ってドアに穴を開けることやガラスを破った後、金属の棒を使ってドア内側のつまみ(サムターン)を回転させて解錠してしまう手口です。ピッキングは、針金のような専用工具を、シリンダー部分に差し込み、解錠する手口です。
そのようなドアからの侵入を防ぐには、「2ロック」と「鎌付デッドボルト」で破られにくくするのが良いでしょう。

2ロックとは、ドアの上下2カ所にキーを設置することです。2カ所にキーを設置することでピッキングに強くなり防犯性能を挙げることができます。玄関ドアは解錠に時間がかかるほど、空き巣に狙われにくくなります。つまり、2か所にキーを設置する2ロック装備のドアなら、ピッキングなどによる「施錠開け」対策に効果的になるのです。

鎌付デッドボルトは、強力なこじ開け対策となる、デッドボルトを採用されています。玄関ドアと枠のかみ合わせが強化され、防犯性が向上するのです。
また、ドアにガラスがついている場合、ガラスを突き破り侵入する可能性があります。ガラス破りは、侵入の手口のトップです。

これに対応するには、「ガラスの強化」と「セキュリティサムターン」が有効になります。
ガラスは、障子、ランマに組み込まれているガラスに(ランマはSG仕様のみ)、通常の複層ガラス・単板ガラスのほかに、合わせ複層ガラス・合わせガラス仕様がよいでしょう。耐貫通性に優れているため破壊されにくく、「ガラス破り」による侵入を防ぐことができます。
そして、セキュリティサムターンはボタンを押すとサムターン(室内側のつまみ)が取りはずせる仕組みです。外出時や就寝時にはずしておけば、万が一ドアやガラス部分を破られても、「サムターン回し」でカギを開けられる心配がないので防犯に役立つでしょう。

泥棒の侵入経路は、戸建て住宅の約60%が窓からになっています。そのため、窓の防犯対策をすることが大事だと言えるでしょう。そこで、クレセント部分をボタン錠に変更することをおすすめします。これは、暗証番号によって解錠できる仕組みになっているので、暗証番号を知らない泥棒はクレセントを解錠できない仕組みです。また、泥棒は1階の窓から侵入する可能性が最も高いのですが、二階の窓も同様に対策することを忘れないようにしましょう。

防犯対策としては、シャッターも大切になってくるでしょう。なぜなら、シャッターを閉めていれば、窓が開いているのか、窓の鍵は掛かっているのか、部屋の状態がどのようになっているのかがわからず泥棒は侵入を躊躇するからです。また、シャッターが閉まっている状態であれば、泥棒が侵入を試みたとしても音が出るため防犯対策になります。さらに、シャッターがあればシャッターと窓の2つを開けなくてはならなく二重の手間がかかると泥棒は思うことから、泥棒の侵入を防ぐことにも繋がるでしょう。このようなことから、防犯性能が高い破られにくいシャッターを取り付けることが大切だと言えます。

また、面格子を取り付けることも効果的でしょう。面格子を設置することで、面格子は目で見てすぐわかることから泥棒が侵入する家を選ぶ段階での抑止力として効果があります。また、窓がこじ開けられたりガラスを破られたりした場合や窓が開きっぱなしになっている状態でも、頑丈な格子が泥棒の侵入を阻みます。だからこそ格子が重要なのです。
このように、窓の防犯対策をしておくことで泥棒の侵入率を下げることが期待できます。しっかりと対策をするようにしましょう。

防犯設備を充実させる

防犯設備を充実させることでさらに防犯性能を向上させることができます。
侵入監視システムとしては、「防犯センサー」、「緊急通報スイッチ」、「威嚇・警報機器」、「防犯受信機」があります。

防犯センサー

侵入者や侵入行為などを発見するセンサーです。警戒する場所や対象物によって適切なものを選択するのが良いでしょう。室内の人の動きを検知して作動するパッシブセンサーやガラスの破壊音を検知して作動するガラス破壊センサーや赤外線式と磁気式があるシャッターセンサーや窓や扉が開いたときに作動するマグネットスイッチがあります。

緊急通報スイッチ

非常時に通報先に連絡するスイッチです。非常時に押して緊急を知らせる非常押しボタンや非常用ペンダントがあります。

威嚇・警報機器

音や光で威嚇したり、警報を発します。ベル音で威嚇すると同時に知らせるベルやブザー音で威嚇すると同時に知らせるブザーやサイレン音で威嚇すると同時に知らせるサイレンなどがあります。そのほかにも、回転灯やフラッシュライトなどがあります。

防犯受信機

センサーなどの検知部と威嚇器などの操作部が一体となってセットとなっている機器です。代表的な物としては、「センサー付きライト」、「センサー付きスピーカー」、「マグネットスイッチ付き警報機」、「ガラス破壊センサー付き警報機」などがあります。

一体型防犯機器

非常時に通報先に連絡するスイッチです。非常時に押して緊急を知らせる非常押しボタンや非常用ペンダントがあります。

センサー付きライト

センサーで人を検知すると点灯します。建物の周りや車庫などに取りつけるのがよいでしょう。

センサー付きスピーカー

センサーで人を検知するとあらかじめ決められた音声で警告します。

マグネットスイッチ付き警報機

窓や扉が開けられると大音響を発します。 窓や扉の框に取り付けるのがよいでしょう。

ガラス破壊センサー付き警報機

窓や扉のガラスが破壊されると大音響を発します。窓や扉の近くの壁や天井に取り付けるのがよいでしょう。

テレビドアホン

来訪者の顔が室内の親機の画面で確認できるインターホンです。画像を記録するものや来客時携帯電話につなげる機能を持ったものもあります。

簡易カメラ

家庭用のテレビに接続できるカメラで来訪者の確認などが出来るものになります。

まとめ

今回は、家族と財産を守る防犯に優れた家造りについてご紹介しました。
防犯に優れた家造りは土地選定から始まり、不審者に侵入できると思われない家造りをすることが最上の防犯対策になることが理解できたのではないでしょうか。また、防犯性能の高い建物部品(CP部品)を初めて知ったという方も多かったのではないでしょうか。そのほかにも、侵入されたもしもの時に備えて必要な防犯対策をしておくのがよいでしょう。家族と財産を守るために防犯に優れた家造りをしましょう。