注文住宅を建てるなら絶対にこれは検討しておきたい設備19選(前編)

夢のマイホームを建てるなら、それも家族みんなの思いをかなえるためにオーダーメード(注文住宅)で建てるというのであれば、快適生活のために設置を検討しておきたい設備があります。

たとえば、雨の多い地域には欠かせない浴室乾燥は花粉症やPM2.5対策にもなり、家族の健康ケアにも貢献します。高性能のビルトイン食洗機は炊事の手間を省くとともに、食後の団らんを楽しむ余裕が生まれるでしょう。

その他にも、節電や屋内環境の管理に役立つ設備はたくさんあります。

今回は前編と後編に分けて、インターネットでウワサになっているマイホームの快適アイテム、建築のプロがおすすめする設備を一覧でまとめてご紹介いたします。リフォームでの設置には費用がかさむ設備や、新築時にしか設置できない設備もありますので、ぜひマイホームを建てる前に検討してみてください。

この記事は約11分で読めます。

  1. 浴室暖房乾燥機
  2. お湯が冷めにくい浴槽
  3. ビルトイン食洗機
  4. IHクッキングヒーター
  5. トイレ
  6. 水回り共通
  7. エコキュート

水回り

注文住宅で最もこだわりたいところは、バスルームやキッチン、トイレといった水回りの設備。いつもキレイに、衛生的にしたい場所であると同時に、プラスαとして『便利さ・快適さ』を求めるマイホームのこだわりポイントです。

お風呂

毎日の疲れをさっと洗い流し、やわらかな湯気に包まれてのんびりと時間を過ごすバスタイムは家族みんなの貴重な時間。それだけに、注文住宅ではバスルームの設備にこだわるケースがとても多く、それぞれの目的に応じた快適設備が導入されています。

1. 浴室暖房乾燥機

雨の日でも洗濯物を干せる

雨の多い地域や日当たりの悪い場所にマイホームを建てる場合、洗濯物について心配になってしまうでしょう。そういった状況では、風呂場の結露やカビ問題も生じます。この問題を解決するには、暖房乾燥機を浴室に設置するのが一番です。

浴室暖房乾燥機を設置すれば、いつでも洗濯物を干すことができます。しかも天候に関係なく、乾燥時間を時短できるのも大きなメリット。浴室内を乾燥させることによって、湿気による結露が解消されますし、カビの発生も防げます。

浴室はいつもサラリと乾いた状態で、とても衛生的で快適に保たれますから、入浴がますます楽しくなることでしょう。

花粉やPM2.5の季節に外に干す必要がない

今や夏の風物詩にもなった花粉症、また春になると中国から飛んでくるPM2.5によって、酷いアレルギーに悩む人はたくさんいます。浴室内乾燥機を設置すると、衣服に付着する花粉やPM2.5の量をぐっと減らせます。 帰宅したら、衣服は玄関先でよくホコリを叩いて、なるべく洗濯します。ベランダには干さず浴室乾燥させてタンスにしまうと、このサイクルでかなり花粉症対策になるでしょう。

暖房機能:ヒートショックの防止にもつながる

高齢になると、いきなり冷たい空気にさらされると心臓がショックを受けて、いわゆるヒートショックで気を失うことがあります。お風呂場で卒倒すれば、固い床や壁に頭を打ってしまうこともあります。

とくに冬の寒い日には、タイル貼りの浴室内は非常に温度が下がるもの。ヒートショックを予防するには、あらかじめ浴室を温めるのが一番。浴室暖房機能は、ぜひ備えておきたい機能です。

2. お湯が冷めにくい浴槽

お風呂のお湯はすぐ冷めてしまいがち。湯船につかっている間もどんどん冷めてしまって、湯をつぎ足しながら入ることもあるでしょう。また、家族ひとりひとりの入浴タイムが違うため、その度に追い炊きをするのではありませんか?

これではお風呂に入るのが面倒です。そこで魔法瓶のようにお湯が冷めにくい浴槽が人気です。いったん湯を沸かすと、夕方から夜遅くまで適温を保ってくれるので、入りたい時にすぐ入れます。

画像引用元:パナソニック バスルーム

追い焚きが減るので節約効果も高く便利

お湯が冷めにくい浴槽のメリットは、一旦湯を沸かせばその夜は自由な時間で入浴が楽しめること。そして追い炊きをほとんどしなくなるので、光熱費も大幅に節約できます。

また、浴槽の保温機能が高い場合は、残り湯が半日経っても30度以上を保つモデルもあります。ぬるま湯で洗濯すれば、皮脂汚れの落ち具合も良くなるでしょう。

キッチン

注文住宅のこだわりポイントといえば、皆さんシステムキッチンを真っ先に口にすることでしょう。新築時に付けておくことで、毎日の家事が楽しくなる設備があります。

3. ビルトイン食洗機

『料理をするのは大好きだけど、でもそのあとの洗い物は面倒で嫌い!』そういう方は意外に多いものです。そこでおすすめなのが食洗機。しかも、システムキッチンに美しく組み込まれた「ビルトイン食洗機」はとても人気が高い設備です。

ビルトインと据え置き型の違い

食洗機は主婦の夢のアイテム。おいしい料理を家族みんなで楽しみながら、そのまま団らんの会話にも参加できます。食後すぐに洗い物にかかる必要がなく、ゆっくりと時間を使えるのが一番のメリットでしょう。

そこで選択に悩むのが、ビルトインタイプか据え置きタイプかです。注文住宅ですから、こだわりのシステムキッチンにどちらを選んでも問題ありません。ですが、ビルトインと据え置きではちょっと事情が変わってきます。

まず下記の画像を見比べてください。

画像引用元:リショップナビ
画像引用元:パナソニック 食器洗い乾燥機

ビルトインはシステムキッチンの中に美しくデザインされ、調理スペースや台所用品の収納スペースを奪いません。画像にあるように、据え置きタイプは床に置くなり、棚に置くなりしてスペースを奪いがちです。

洗浄力はビルトインタイプの方が高いです。機種にもよりますが、ビルトインタイプは水量が強いことでよく汚れが落ちます。

なお、稼働中の騒音もビルトインタイプはほとんど気になりません。一方、据え置きは夜中に稼働させると騒音で安眠の邪魔になることもあり、その点も要注意でしょう。

据え置きタイプもシステムキッチンの空きスペースに収めることができますが、外殻の厚みの分だけ、ビルトイン食洗機よりも容積が小さくなってしまいます。価格で安い据え置きタイプですが、せっかくオーダーメイドのステキなキッチンに設置するのですから、機能性が高くデザイン性にも優れたビルトインタイプがおすすめです。

手荒れが防げる

食洗器のメリットは美肌効果です。毎日のように食器洗剤で手肌を危険にさらすリスクは、美肌を愛する女性の方には耐えがたいことでしょう。たとえゴム手袋をしても、それで肌荒れが完全に防げることはありません。

また、ネイルケアの手では食器洗いがしにくいもの。食洗器であれば、そういった問題がすべて解消されます。

家事が楽になる

毎日欠かさず食事の用意をする方にとって、食器洗いにかかる時間は膨大です。一回15分、朝と夜の2回として、1年で1万分(約166時間)にもなります。しかも、食後の幸せな時間を犠牲にするのですから大きな問題でしょう。

食洗器を使えば、この時間が自分のために有効利用できます。

4. IHクッキングヒーター

キッチンの設備として選択に悩むのが、料理機器をIHにするかガスコンロにするかではありませんか?いつもキッチンはオシャレで衛生的にしておきたいという方は、次の理由でIHクッキングヒーターを選ぶと良いかもしれません。

火が出ないので安全

ガスコンロは火力が強いこと、火の調整が自在にできるなど、おいしい料理を作るには適しています。しかし、危険な直火を扱うこと、しかも可燃性が非常に高いガスであるため、ちょっとした手違いで大火事の元になります。

一方、IHクッキングヒーターは鍋に接している部分だけが熱くなるので、そこだけ気を付ければ火事や火傷の心配がありません。近くにある紙や布製品に飛び火する心配がなく、安心して調理できます。

すすが出ないので鍋や壁などが汚くならない

IHは電気で加熱するのですすが出ません。そのため、鍋の裏側が黒ズミませんし、キッチンの壁や棚、調理機器などが汚れにくいというメリットがあります。衛生状態を保つのがラクですし、掃除の手間も軽減します。

5. トイレ

日本では、『トイレが清潔で快適なお店は人気が出る』と言います。年中雨が降り、温暖湿潤気候の土地柄のために雑菌の繁殖がしやすい日本では、トイレにしっかり気を使う人を高く評価する風習があります。

いつも清潔で使いやすいトイレは気分が良いものです。家族のだれもが安心して使えるいやし空間としてのトイレになるよう、次の点にこだわってみてはいかがでしょうか。

タンクレストイレ

水洗トイレは、一般的に便器洗浄用の水を貯めておくタンク(大きなボックス型)が背中についています。トイレが狭い家だと、このタンクがスペースを取ってしまって、足元が窮屈なこともあるでしょう。

そこで登場したのがタンクレストイレ。水のタンクがないのでコンパクトですし、見た目も非常にスリムでステキです。また、貯まった水で流すのではないので、何度でも連続使用ができるのも人気のひとつ。

最先端トイレとして、便座の保温やおしり洗いや脱臭・消臭と多機能タイプがそろっていますので利用価値の高いトイレです。

画像引用元:リショップナビ

掃除がしやすい

タンクレストイレは、トイレスペースを広々と使えるため、車いす対応トイレなど介護用トイレにも適しています。また、タンクがないので掃除がとてもラクな点もおすすめポイント。清潔感を出すための掃除の手間暇が軽減できます。

2Fのトイレ

トイレは1階の浴室のそばにひとつ設置するケースが多いですが、家族の人数が多いとか、来客の多い家庭なら、一つでは足りないことがあります。その場合は、一階のトイレの真上に、もう一つトイレを備えると便利です。

水道の上下管をそのまま上に延ばすだけですから、新築時では大きな追加費用にはなりません。必要があれば、ぜひ用意したい設備です。

夜中に寝室から階段を上り下りしなくていい

2階に寝室があって1階に高齢者が寝ているような状況ですと、トイレへ行くのに階段を下りたりドアの開け閉めと、物音で迷惑をかけてしまいます。2階にトイレがあればその心配も軽減するでしょう。 また反対に、高齢の方が2階に寝ていればトイレに行くまでが一苦労。階段で足を踏み外したり、途中で尿漏れしたりとトラブルもあります。2階のトイレは高齢者世帯におすすめです。

朝の混雑を避けられる

お子さんの多い世帯では、毎朝7時から8時までトイレが大渋滞になりがちです。これも快適生活とは程遠い生活環境といえるかもしれません。2階にトイレがあれば、それぞれが自分のタイミングであわてずにトイレに行けます。

温水洗浄便座

今ではすっかりおなじみの『おしり洗浄便座・温水洗浄便座』ですが、切れ痔・いぼ痔の人にはとても頼りになるアイテムです。また、高齢になるとおしりを拭くのも困難になることがあり、温水洗浄便座は大助かりです。

実は温水でおしりを洗うことで、おしりのシワや毛にこびりついた便がきれいに洗い落とせます。衛生面・健康面を考えますと、トイレットペーパーで拭くよりも良いと言われています。 新築であれば、やはりトイレは温水洗浄便座がおすすめです。

節水便器

トイレの水は意外に無駄が多いことをご存じでしたか?

まず、一回の流水量が多すぎることがあります。これまでの市販のタンクでは15リットル前後の水が流れ、かなり多い感じです。最近はトイレの流れや汚れ落ちに改善をしていて、水量を5L前後に節水したタイプが増えていますので、そちらを選んだ方が良いでしょう。

節水効果が高く費用対効果がよい

さらに言えば、便器内を流れる水は単に上から下へ流れるだけで、よく洗い流せるところと、流れにくいところがあります。この点を改良したのが渦巻洗浄で、らせん状に水が流れるので少量の水でも効率よく洗い流せるようになりました。

便器の表面加工の改良により、より汚れが落ちやすいように加工されているモデルもあります。

節水便器と従来の便器では、その節水効果は大幅に違います。費用は高くなりますが、費用対効果で計算すればずっとお得になるので試してみてください。

6. 水回り共通

さて、これまでバスルーム・キッチン・トイレと水回りごとのこだわり設備を確認してきましたが、ここで水場全体に共通する設備も考えてみましょう。

タッチレス水栓

ホテルやレストランの洗面所で、蛇口のところにそっと手をかざすと水が出るタイプの水道(タッチレス水栓)を使ったことのある方は多いかと思います。コロナ対策としても注目されている設備ですので、ぜひ新しいマイホームにも取り入れてみてください。

画像引用元:タカラスタンダード タッチレスハンドシャワー水栓

料理中に手が汚れていてもレバーを汚さないで手を洗える

タッチレス水栓のメリットは、手が汚れた状態でもレバーなどを汚さずに水が使えること。例えば、揚げ物の衣がついている時に水が使いたい場合でも、さっと手をかざせば水が出せます。

レバーが汚れてしまうと、その汚れを落とすのにひと手間かかってしまい、タイミングが大事な料理では大問題です。そういった面倒がないのもタッチレス水栓のメリットです。

外出から帰ってきた時に汚れを付着させないので衛生的

小さな子供がどろんこ遊びから帰ってきても、そのまま水場に行って手洗いできます。タッチレス水栓ですから、排水口の上に手を置いて水を出せます。ドロ汚れがレバーに付いたり、周囲に飛び散ったりする心配もありません。

慣れてしまえば、実に衛生的な水洗いが習慣化します。小さな子供でも、安心して独り洗いが可能です。

水道代の節約になる

蛇口の先に洗う物をかざして、タッチレスで水を出す。これですと、従来のような、開栓してから洗い物を蛇口先にもっていくまでの流水ロスがカットされます。

また、レバーを汚すこともないので、それを洗うための流水も不要になります。小さいことですが、『ちりも積もれば山となる』で、かなりの節水効果が期待できます。

ハンドシャワー式水栓

シンクが大きいのに蛇口が固定されている場合、洗いたいものをすべて蛇口の下へ移動させなければなりません。しかも蛇口の下のスペースはいつも空いた状態にしたいと洗いにくいもの。大量の洗い物が出た時は、けっこう面倒な作業になりますね。

ですが、蛇口がノズルを伸ばして、シャワーのように自在に移動すればどうでしょう。ハンドシャワー式水栓はシンクいっぱいの洗い物をする際にとても便利です。また洗うパターンが多様化し、洗い物の効率アップになります。

大きな鍋や花瓶に水をくみたいときにも便利

たとえば、蛇口の高さより背丈のある植木鉢や花瓶に水を入れる場合、直接水を注ぎこむことは難しいです。ですがハンドシャワーはシンクに鉢や花瓶を置いて、簡単に水を注ぐことができます。

また、蛇口の高さを超える背丈の鍋や調理機を洗う場合も、ハンドシャワーなら洗いにくさを感じません。

隅々まで簡単に洗い流すことができる

蛇口が固定されていると、その真下にしか流水しません。ですから、洗い物を回しながら流水を当てる必要があり、これも面倒です。しかもちゃんと落ちていない箇所も出てきて、洗い物がとても非効率です。この問題もハンドシャワーなら解決してくれます。

7. エコキュート

湯沸かしのシステムの多くがガスを使っています。電力で沸かすタイプもありますが、どちらも光熱費がかさみがちだというデメリットがあります。そこで注目されているのがエコキュート。

エコキュートはヒートポンプユニットで吸気した空気の熱で水を65~90度のお湯にして、貯湯タンクで保温するシステムです。空気より熱を取り込んだ自然冷媒を電力で圧縮し、さらに高温にすることで熱湯を作る装置です。

画像引用元:リフォームショールーム<エコカナ>

割安な深夜電力でお湯を沸かすために光熱費を大きく削減する

ガスや電力でお湯を沸かすのは意外とコストが高い点に注意してください。エコキュートは空気(外気)のもつ熱を利用しますから、他のシステムよりも低コストでお湯を作ることができます。触媒の圧縮に電力を使いますが、深夜の安い電力だけを使うことで、ガスや電力式の給湯器よりも大幅なコストダウンが可能になります。

IHと組み合わせてオール電化にするとガスの契約が不要になり基本料金分がお得になる

エコキュートはオール家電との相性がとても良い給湯システムです。家全体のエネルギー源を電力一本にすることで、ガス契約が不要になりますから、ガス利用の基本料を負担する必要がありません。

また、絶えず熱いお湯がタンクに蓄えられているため、電力やガスが止まる自体になってもしばらくお湯が使えるというメリットもあります。これは緊急時には強い味方になってくれるでしょう。

(後編へ続く)