注文住宅を建てるなら絶対にこれは検討しておきたい設備19選(後編)
夢のマイホームを建てるなら、それも家族みんなの思いをかなえるためにオーダーメード(注文住宅)で建てるというのであれば、快適生活のために設置を検討しておきたい設備があります。
たとえば、雨の多い地域には欠かせない浴室乾燥は花粉症やPM2.5対策にもなり、家族の健康ケアにも貢献します。高性能のビルトイン食洗機は炊事の手間を省くとともに、食後の団らんを楽しむ余裕が生まれるでしょう。
その他にも、節電や屋内環境の管理に役立つ設備はたくさんあります。
今回は後編です。
この記事は約11分で読めます。
- スマートドアロック
- 宅配ボックス
- 人感センサー
- モニタ付インターホン
- シューズインクローク
- 手すり(玄関周り、洗面所、廊下など)
- 有線LAN
- 樹脂製サッシ
- 金属屋根
- 電気自動車用コンセント
- 太陽光パネル
- 電動シャッター
- まとめ
玄関
マイホームの顔となる玄関周りのデザインや、快適生活のための設備にはこだわりたいところ。友人・知人、来客をお迎えする際の第一印象を決める重要なポイントです。ここでは、玄関まわりの利便性や防犯性を高める設備を5つ紹介します。
1. スマートドアロック

玄関の戸締りは厳重にしておきたいところです。そこで、上下左右に扉から爪が出るようなドアロックで、それを重量のあるドアキーで開け閉めするといった玄関も少なくありません。
ですが、こういった従来のドア鍵システムは使い勝手が悪いと感じるかもしれません。最近は、もっとスマートなドアロックシステムが流行っています。
ホテルのようなICカードキーで開閉するタイプ。車のようにピッピっと施錠・解錠できるリモコンキー。もっと最新式になると、スマホのアプリで操作するスマートドアロックもあります。
外出時にかばんの中から鍵を探さないで済む
従来の鍵式のドアロックですと、赤ちゃんや手荷物を抱えた状態での施錠が面倒だと感じることでしょう。
バッグの中でゴソゴソと鍵を探し、やっと見つけたと思ったら手荷物でカギ穴に鍵を差し込むことができない。結局、荷物を地面におろして鍵を開けるといった手間がかかります。まして雨の日などは、傘が邪魔で解錠の作業にひと苦労したりします。
最近のスマートドアロックシステムなら、簡単にスマホでドアロックを外すことができます。なお、ICカードキーやリモコンキーでも、バッグの中で埋もれてしまったり、どこかに失くしたりの心配もあります。
その点を考えれば、いつも身に着けていて失くす心配がないスマホで施錠・解錠するなら安心でしょう。
外出してから鍵をかけたか不安にならない
外出の時に心配なのが、やはりカギのかけ忘れではありませんか?
この点もスマートドアロックシステムが便利。スマホに専用アプリを入れておけば、どこからでも解錠・施錠が行なえます。また、玄関ドアに接近すると自動で解錠させる機能などもありますのでとても便利です。
スマートドアロックは鍵のコピーが困難で、オートロック設定によるカギの閉め忘れも予防でき、開錠・施錠の履歴を見れば空き巣被害もチェックできるすぐれものです。
2. 宅配ボックス
再配達が追加料金になることから、玄関先に荷物を置いていく『置き配』を選ぶケースが増えています。ただし、宅配ボックスの設置方法によっては、ボックスごと盗難にあう可能性もあります。
そこで注文住宅で設置する場合は、小型の簡易設置タイプよりも工事設置のハードタイプを選ぶと良いかもしれません。

置き配で荷物が紛失する不安がなくなる
宅配ボックスを設置することで、玄関先に直置きされて盗難に合うリスクが大幅に軽減されます。工事設置のハードボックスならば、玄関の美観を損なわないデザインを選ぶこともできるでしょう。
荷物の届く時間を気にしなくてすむ
宅配ボックスのメリットは、不在時に安心して荷物を受け取れること。お出かけ中でも、旅行中でも、再配達をお願いする必要がなくなることです。ボックスに冷蔵機能などがついていれば、不在時でも安心して冷凍ものを受取ることもできます。
3. 人感センサー

住宅街では、家の周辺に夜間の照明がついていないことは珍しくありません。門から玄関への導線が真っ暗で、夜遅くの帰宅や来客で足元が不安なことがあるでしょう。
そんな時に役立つのが人感センサー機能の屋外用ライトです。
夜帰ってきたときに足元や鍵を探すのに役立つ
人感センサーを取り付ければ、人が家の門に入った瞬間にセンサーが作動して、足元をさっと明るく照らしてくれます。段差につまずいたり、転んだりする心配がなくなりとても安全です。
また、門内に人が入るとライトが付きますから、不審者の侵入も防止してくれますし、空き巣被害の防止にも効果的です。女性だけの家庭や、男性の帰りが遅い家庭には防犯対策としても有効な設備となります。
4. モニタ付インターホン
立派な門構えの住宅では、門のところにモニタ付インターホンがついていて、直接お客さんと接することなく応対ができます。コロナ禍では、感染予防にもつながる便利なシステムです。
防犯観点のメリット
人感センサーと同じく、防犯効果がある設備としてモニタ付インターフォンがおすすめです。訪問してきた人を確認してから門や玄関が解錠できるので、不審者の侵入を回避するのに役立ちます。
セールスマンなどに応対しないで済む
普通は、インターホンが鳴れば、相手が誰であろうと玄関を開けて応対してしまうもの。ですが、相手が飛び込みセールスマンのように、全く用のない方であれば面会せずに帰したいところでしょう。
モニタ付であれば、相手を選んで出迎えることができます。訪問を望まない方が来たときは、インターホンだけの対応で済ますことも可能で、プライベートな時間を邪魔されずに済みます。
5. シューズインクローク(土間収納)
玄関ホールに収納スペースや靴棚、傘立てなどをぎっしりと設置するのは不便でしょう。スペースが狭い玄関であれば、なおさら使い勝手が悪くなってしまいます。
そこで、玄関ホールから靴を履いたままで入れるシューズインクローク(土間収納)が好評です。

玄関周りに散らかりがちなアイテムをスッキリまとめられる
玄関はマイホームの顔ですから、外観も内側も整理整頓がなされた落ち着いた状態であってほしいものです。玄関に大きな靴棚や自転車、スケボーなどのアウトドア用品が散乱しているのは避けたいところ。
そこで、玄関わきにシューズインクローク(土間収納)を設けることで、玄関回りにゆとりのスペースが整いますし、屋内へ持ち込みたくない用具やコート・靴類を整然と収納させることが可能です。
たとえ玄関スペースが手狭でも、建築設計士に上手にデザインしてもらって、快適でステキな玄関にしてもらいましょう。
室内
室内の共有設備を必要に応じて整えておけば、将来的にも不便のない快適生活が送れます。
とくに、高齢者の方が生活しやすいバリアフリーの家を設計してもらうのはおすすめ。後付けよりも新築時に付けておいた方が安上がりなので、事前にご考慮ください。
6. 手すり(玄関周り、洗面所、廊下など)
玄関からリビングへの導線、そしてトイレや浴室への導線上に手すりを回しておくと便利です。新築ですから、トータルコーデでデザインしてもらうとステキなインテリアとして収まるでしょう。

老後になってから助かる
手すりを後付けで設置することもできますが、家中に手すりを回すにはかなりの工事が必要です。また、床の段差をリフォームするのはとても大変なこと。老後も快適に暮らすつもりであれば、新築の時にバリアフリーは徹底しておくとよいでしょう。
なお、バリアフリーは赤ちゃんにとっても安全な生活環境となります。多少は費用がかさみますが、前もって備え付けておくメリットはあります。
7. 有線LAN
家族一人一人が自宅でネット端末を利用する時代です。しかも、5Gなど大容量でデータ通信しますから、家庭に一つWi-Fiを設置しただけでは、思うようにネット利用が楽しめないこともあります。
無線LANだと電波が弱い箇所があったり接続が切れたりする
家全体を必要十分なネット環境に整える場合、電波の弱くなる場所を作らないようにLANを配置します。例えばリビングに有線LANを引けば、それで一階の共有スペースをカバーする事はできます。
ですが、2階の各寝室にそれぞれ十分な電波を飛ばすには、やはり2階にも優先LANを引いておく必要があるでしょう。この点も建築士と相談をして、家族のニーズに合わせたネット環境設定をお願いすると良いでしょう。
あとから配線することは難しい
有線LANについては壁の内側を配線するため、後付けが面倒ですし、工事費用もかなりかさみます。ネット利用は時代とともに容量が大きくなる傾向ですから、事前に有線を適所に引いておくのが得策でしょう。
8. ペアガラスやトリプルガラスの樹脂製サッシ
窓サッシといえばアルミ製が主流でしたが、最近はペアガラスやトリプルガラスの樹脂製サッシが流行っています。
夏涼しく冬暖か
アルミ製サッシは熱伝導率が高いので暑さ寒さで欠点があり、結露の問題もあります。しかし樹脂製サッシは室内の保温性がアップし、結露の問題も解決します。
ちなみに樹脂製サッシはアルミ製に比べて、夏場は2℃ほど室内温度が低く保たれますし、冬場では4℃ほど高く保たれるといいます。生活空間が快適に保たれ、同時に冷暖房費も節約できるでしょう。
結露しにくい
樹脂製サッシは熱伝導率が低く、特に国産の樹脂サッシであれば高性能の断熱材の使用で因り耐熱性がアップします。トリプルサッシにすれば、真冬の北海道でも室内の保温性が高く、結露が付きにくいのです。
ちなみに結露が出ないということは、カビ・ダニの発生を予防することになり、室内の衛生管理も安心です。
9. ガルバリウム鋼鈑といった丈夫な金属屋根
昭和や平成の時代では、金属屋根といえばトタンやアルミ製がもっぱらでしたが、トタンはサビやすく、アルミは価格面で負担が重くて、取扱業者も限られます。どちらもデメリットが目立つ屋根材で、さらに定期的なリフォームが欠かせません。
そこで人気なのが、新素材のガルバリウム鋼鈑の屋根です。

軽く丈夫で長持ち
ガルバリウムとは、アルミとシリコン(合成樹脂)と亜鉛を合成した金属素材です。そしてガルバリウム鋼鈑はその上に鋼でメッキコーティングを施した鋼板で、とにかく軽くて丈夫です。
しかも断熱効果に優れているので、室内温度の管理には利便性が良いこと。サビにくいことも合わせて、屋根材としては現時点で最高の素材といえるでしょう。
*ガルバリウム鋼鈑は外壁材としても適している
屋根塗装がいらない
現在のガルバリウム鋼鈑で屋根を敷いた場合、基本的には長期で退色の心配はありません。職人によっては定期的に手入れをした方が長持ちするとの意見がありますが、一般的にガルバリウム鋼鈑の屋根は25年から30年の耐久性があり、あえて屋根に塗装をするケースは少ないのです。
ちなみに、ひとつの屋根塗装にかかる費用はざっと30万~40万かかります。ガルバリウム鋼鈑の屋根なら、その分の節約ができるでしょう。
台風や地震といった災害に強い
ガルバリウム鋼鈑は防錆性にも優れています。また、軽量な合成金属(瓦の8分の1ほど)なので、建物の重心が下がります。重心が低くなれば、それだけ地震の横揺れに強くなるので、地震対策にもプラスです。
なお、立て敷きのガルバリウム鋼鈑屋根にすると台風にも強くなります。その理由は、鋼板の1枚1枚をかみ合わせる施工なので、鉄板のズレや剥がれが起きにくく、台風などの強風にも強くなるからです。
雨漏りしにくい
腕の良い職人がガルバリウム鋼鈑で屋根を敷くと、長期で雨漏りが防げると言います。もともと腐食性が低い素材で、かつ、かみ合わせで雨漏りの侵入を防ぐ屋根材ですから、きちんと敷設すれば大型の台風でも心配がありません。
一方、この理屈を把握していない職人が施工しますと、雨漏りのトラブルを起こしますので要注意です。
10. 電気自動車用コンセント
世界的な脱炭素制作が促進する中、自動車はガソリンから電気へとシフトを強めています。中国では、数年後に電気自動車の新車販売しか認可しないとの勢いで、日本でも電気自動車中心の社会になることは確かです。 そこで、新築時に電気自動車用のコンセントを設置しておくと良いでしょう。
これから電気自動車を買う可能性があれば検討したい
現在ハイブリットやガソリンエンジンのマイカーを所有している方も、新築を立てるときは電気自動車専用の充電ポートを設置すると便利です。家庭用電源の場合、夜中の電力が安いので燃料費の節約になります。
また、屋根などの太陽光パネルを備え付ければ、自家発電で燃料がまかなえるというメリットも得られるでしょう。
11. 太陽光パネル

世界的な脱炭素の取り組みは、もはや民間レベルまで降りてきた感があります。各家庭に自家発電システムを構築し、自分が使う電力は自分で賄う時代が到来したといっても良いでしょう。
後付にすると屋根にきっちり乗らないことがある
太陽光パネルを屋根に設置することに関しては、政府も補助金や減税措置で勧めています。
ただし、単に屋根に太陽光パネルを設置すれば良いわけではありません。新築時に建築士にデザインを任せれば、屋根の大きさや建物の耐久性などを考慮して、ぴったりとした形で設置してくれます。一方、後付けの場合は発電量やパネルの形状によって、屋根にきっちりと乗らないなどのトラブルが起こってしまう可能性もあるので要注意です。
電気代の節約になる&売電金額を見ると嬉しくなる
最近は売電電力の価格が下がってきていますが、それでも自宅で消費する電力をすべてカバーできるなら、それは長期的に大きな節約メリットとなります。
また、余った電力を電力会社に売電するのは良いものです。たとえ毎月数千円の利益しか発生しなくても、コツコツとお金が貯まっていくのは快感です。子豚の貯金箱に500円玉を1枚づつ貯めていく喜びを実感することでしょう。
12. 電動シャッター
近年の日本では、毎年大雨に見舞われる地域が増えています。また、台風の被害も頻繁に起きていますし、豪雪で悩む地域も少なくありません。そういった地域では、雨戸やシャッター窓の設置はかなり必要性が高いと言えるでしょう。
開け閉めで虫が入らない
電動シャッターであれば、リモコン操作で素早くシャッターの開閉ができます。手動シャッターはいろいろと手間がかかるため、ぐずぐずしていると雨や虫が室内に侵入してしまうリスクがあります。電動シャッターは開閉が素早いので、そういった心配は不要です。
冷暖房の無駄がなくなる
地域によっては秋の花粉症や、中国からの黄砂の影響、春先のPM25の問題など、健康被害の問題も解決してくれます。家族の方にアレルギー症状のある場合は、新築時に電動シャッターを設置しておくと良いかもしれません。
なお、電動シャッターは後付けだと経費がかさみ、トータルのデザイン性も整いにくいので注意してください。
13. まとめ
ここで紹介した快適生活のための設備は、必ずしも必要ではないかもしれません。ただし、ニーズがあって予算が許すのであれば、積極的に設置すると良いでしょう。
こだわり設備に関しては『後付けでOK』との声も大きいですが、後付けのデメリットも事前に確認してから、どうするかを判断するようにおすすめします。